お別れ   2002/08/04

バイクを売ろう。
8月3日の夜、突然思った。前々から新しいバイクを手に入れるために売ろうと思っていたが、「いつ」にするかを決めかねていた。でも、なぜか、その日、そう思い立ってしまった。
明日売ろう。心に決めて寝る。
翌日、10時半頃目が覚めた。バイク屋にそのまま行こうかと思ったが、最後にもう一回乗りたくなり、買い物がてらバイク用品店まで出向くことにした。
バイクを引っ張り出し、チョークを引きセルボタンを押しエンジンをかける。この作業をやるのもこれで最後かな、と思う。よく考えてみたら、このバイクは初めて買った新車だった。
国道16号から横浜新道で用品店へ。道中、バイクは至極快調…と言いたいところだが、最近エンジンが暖まるまではアフターファイヤーがひどい。何だか怒ってるように聞こえるのは、多分気のせいだろう。
店につき、オフロード用品を中心に見て回る。ここ1年程で買う物、見る物がずいぶん変わった。いろいろ見たが、心に響くものが無く、ステッカーを数枚買って店を出る。
店の駐車場で自分のバイクに向って歩いている時、このバイクをはじめてみた時の衝撃を思い出す。そう言えば、初めて買った外車でもあった。
家に帰り、電話してバイク屋へ。店には田丸さんがいた。開口一番「ビューエル売るんだって?」と声をかけられる。何で知っているんだろう?内心苦笑い。
梅島さんに今日バイクを置いていく旨を告げ、最後の洗車をさせてもらう。田丸さんから普通、店に持ってくる前に洗ってくるだろう、と突っ込みを入れられる。また苦笑い。
最後だから丹念に洗車しよう…と思っていたが、とにかく暑いので、足回りを洗った後、水をかけて終わりにする。
店の中で梅島さんと買い取り価格の交渉を行なう。その瞬間、学生の頃仲の良かった友人の事を思い出した。卒業して結構経つが、彼らは元気かな…
交渉を手早く済ませ、しばらく談笑し店を出る。出る瞬間、売られたばかりのバイクを一瞥する。不思議と特別な感情は湧かない。別れの言葉を口の中でつぶやく。そう言えば、初めて買ったビックバイクでもあった。
車検から帰ってきたハスクバーナを石田さんから受け取り自宅へ。
自宅へつき、駐輪場へハスクを置き、カバーをかける。
そして駐輪場を出ようとした時、ふと、視線がある場所でとまった。
その場所には何も停まっていないが、サイドスタンドの跡がポツリとへこんでいた。