今年が最後の乗鞍

マイカー乗り入れが今年で最後。
しかも11月からは閉鎖となるので、今月が最後。
そんなことで、最後に乗鞍を走りたいというライダーは多く、平日でも結構な台数のライダーが頂上目指して走っている。
以前小生も走ったことがあるので、最後に一目みたいという衝動に駆られていた。
一国峠の会長の石田氏は月曜・火曜で一人で「乗鞍キャンプツーリング」にいくという情報をキャッチしてしまったのが運の尽き(?)。
「オレも最後の乗鞍に行きたい!」
「石田さんだけに独り占めさせるわけには行かない」
いつものように、負けず嫌いな性格上、その思いは最高潮に達した。
また、今週末は3連休なので、その渋滞の規模は想像が出来ないほど凄まじいことになるだろう。
いくらバイクとは言え、この凄まじい渋滞はかなりの苦痛に違いない。
そうすると、答えは一つ。
「平日決行」なのである。
一日空いてそうなスケジュール表に目をやると、「明日しかない!」
「良し! 明日行こう!」
その日は生憎の天候不良であった。
下界がぐずついているなら、標高2700mでは最悪に違いない。
そう思い、思わず車に飛び乗った。時間は8:30の通勤時間だった。

鶴見から中央高速まではいつもルートに悩まされる。
本当は16号で八王子まで行きたいところだが、平日朝の渋滞は厳しい。
多摩川土手沿いで調布ICまで、というコースも各橋付近の渋滞が具合悪い。
残るは環八。これもあまり気が進まない。
仕方ないので自慢の三菱製カーナビに決定権をゆだねると、カーナビは国道1号線を北上し、戸越から首都高2号線に乗り、中央環状線を抜けて新宿線〜中央高速というルートを薦めて来た。
「そんなバカな」
急がば回れと言うことわざは知っているが、それではあまりにも遠回り過ぎる。
迷ったあげく環七をチョイスした。
そこそこ混んでいたが、順調に中央道に乗り、ナビに目をやると
目的地までの距離 260km
目的地への到着時間 14:00
「何? 意外と遠いじゃね〜か」
雨天だったため、スピードを上げる訳には行かず、慎重に松本ICへ向かった。
松本ICを出ると、国道158号線である。
この細い国道は路肩が無く、バイクでも合法的なすり抜けは不可能な道である。
その為、以前来た時は、反対車線を走るしかなかった。
今回は雨の平日。
うれしいほど空いている。
そのため、順調に乗鞍へ向かえた。
しかし、途中で嫌な電光掲示板を見かける。
「上高地方面降雪で通行止め」
地図で確認すると、乗鞍の北側に位置する上高地は危険なので安房峠ルートは諦めて、南側の安曇村から上ることにした。
すると、次の電光掲示板には「乗鞍スカイライン降雪のため通行止め」
安曇村方面を選んで正解だった。安曇村から上れば、乗鞍スカイラインを通らなくても頂上へ行けるのである。
道はいろは坂を狭くして距離を伸ばしたようなひどい道だったが、紅葉は完璧だった。




こんなに間近でじっくりと紅葉を見るのは久し振りのような気がした。
いつもはバイクで何気なく通り過ぎるだけだったような気がする。

時折現れる深紅のもみじには思わず声を上げてしまうこともしばしば。

狭くて険しい道を登って行って、2400m付近に差し掛かった時、対向車がパッシングして何かを訴えてる。
停まって聞いてみると、「この先は雪でどうにもならない。みんなUターンして引き返してくるよ」
仕方なく、自分もUターンして山を下りた。
この先の頂上付近は紅葉は無く、殺伐とした高山植物に変わるので、別に問題は無い。

下ってくる途中で観光バスが停まっている小さな駐車場があったので、停まってみると「善五郎の滝」という観光名所があったので、ちょこっと寄ってみた。
約500mほど、森の遊歩道を歩くと、滝は現れた。
ここは綺麗なポイントなので要チェックだ。

多くのライダー達がカッパを着て、寒そうに徐行運転をしている光景を見かけた。
時間は15時に近づいている。
このまま真っ直ぐ順調に帰っても帰宅は18:30とナビは表示している。
そこでふと思い出した。

「そうだ! 石田会長は来ているのだろうか?」

早速携帯電話へ連絡してみると、走行中の為かつながらなかった。
しかし、数分で折り返しが来た。
場所を聞いてみると、すでに乗鞍は走り終え、松本の先の名前も知らない林道に居るということだった。午前中なら雪がちらほらでまだ十分に走れたということだった。
「朝早く出発してれば良かった。」(後悔モード)

ひょっとして帰り道に高速道路で会えるかなと思いつつ、乗り鞍を後にした。
何しろ、石田氏はチビタンクのスポーツスターで100km毎の給油が必要なのである。

松本ICから長野道に乗り、諏訪湖SAで休憩した時には16:00を回っていた。
天気がよくないため、あたりは暗くなり始めていた。
どれどれと石田会長に連絡してみる。
「今は美ヶ原の頂上だよ。雨は降ってるけど雲海の上にいてすばらしい眺めだよ」
彼は、乗り乗りの声でそう言っていた。
普通は夕方になれば帰路に就くのが普通のツーリングライダーだが、石田氏のようなプロの旅人は違う。
今日中に帰れればいいんだ。少しでも陽が残っているなら、少しでもいいところを走りたい。
ということらしい。
確かに目的は乗鞍ではなく、乗鞍界隈を走ることなのである。
ちょっぴり、「やられたっ」と思いながらも、このあたりの名物らしい、「ダチョウの串焼き」と「ローメン」を食べた。

後は暗い中央道をひたすら走って自宅へ着いたのは19:30だった。

最後の乗鞍を見ることが出来て、満足の一日であった。

終わり